巷で評判の TaoTronics の apt-X HD 対応 Bluetoothイヤホンを買ってみた。TT-BH072 レビュー

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TaoTronics TT-BH072 箱
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凄いコスパのBluetoothイヤホンがあるらしいぞ

今日は「安いのに、なんかえらく良い音出すぞ」と巷で評判になっている TaoTronics の Bluetoothイヤホンを購入したのでレビューしてみたいと思います。今回、私が購入したのは、驚異的な爆売れを続けていると言う TT-BH07 の上位バージョン TT-BH072 です。

TaoTronics TT-BH072

TT-BH07との主な違いは、バッテリーの持続時間が大幅に伸びている事(6時間→13時間)とEQ(イコライザー)機能を搭載した事、ケーブルが「きし麺」ではなく細身のケーブルになった事、ハイレゾ対応の apt-X HD をサポートしている事などでしょうか。

TT-BH07のケーブルは、現行型では「きし麺」ではなく細身のケーブルになっている模様。
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事のなりゆき

SoundPEATS QY7 の不満点

実は、普段、有線ヘッドフォンばかりを使っている私ですが、Bluetoohイヤホン自体は、だいぶ前に TaoTronics 同様ハイコストパフォーマンスで評判の良かった SoundPEATS のBluetoothイヤホン QY7 を買って、時々は使っていたのですが、まぁ、音質に期待して買った訳でもないし、価格を考えれば十分な音質で、接続の安定性なども何の問題も無く、調子よく元気な音を鳴らしてくれていました。

SoundPEATS QY7

SoundPEATS QY7

ただ、唯一大きく不満に思っていたのは、タッチノイズが非常に大きい事。です。2つのスピーカユニットを繋ぐケーブルは平べったい、俗に言う「きし麺ケーブル」なのですが、少し触れただけでも「ゴンゴンゴン」と酷いタッチノイズを発します。まぁ、じっとしていればタッチノイズは発生しませんが、普通にデスクトップPCなどを使っていても、やっぱり少しは首を動かしたり体制を変えたりしますので、服に擦れたり体に当たったりして、結局「ゴンゴンゴン」と言う不快なタッチノイズは避けられませんでした。(これでランニングとか絶対無理だと思う)

セパレートタイプには apt-X 対応が無い?

そんな訳で、今度買う時は、ケーブルの無いセパレートタイプを買うつもりでいましたが、色々調べて行くと、セパレートタイプの製品には低遅延、高音質な apt-X コーデックをサポートしたモデルが、全く見つからない。

BluetoothのA2DPプロファイル標準コーデックである sbc は遅延が大きく、動画の口元と音声のズレが発生したり、ゲーム用途など遅延にシビアな環境での使用に向いてないし、そもそも古い QY7 でも apt-X に対応しているのに、今さら sbc なんて使ってられない。と言う訳で、セーパレートタイプは却下して apt-X をサポートしているモデルが多いケーブルありのタイプに絞り込みました。ただ、タッチノイズは避けたいので、その辺りの少なそうなモデルを探す事にしました。

SoundPEATSは、以前から評判は良かったし、私も実際に使って信頼性は確認済みなので、SoundPEATSの新型から選んでも良かったのですが、なんとなく他の選択肢も探していると TaoTronics と言うメーカーのBluetoothイアホンがやたら評判が良いので、どんなもんか試してみたくなり、今回は敢えて SoundPEATS ではなく TaoTronics を選ぶ事にしました。

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TaoTronics TT-BH072 レビュー

毎度ながら前置きが長かったですが、TT-BH072レビューです。箱を開けると入っているものは、以下の通りです。

TT-BH072 同梱品

TT-BH072 に同梱されているもの全て

左上から、トラベルポーチ、取扱説明書、USB充電ケーブル(マイクロUSB)、イヤーフック(大、中、小)、イヤーピース(大、中、小)、ワイヤレスイヤホン本体。

TaoTronics TT-BH072

イアホンの全体像

本体の全体像は、こんな感じです。QY7 はポップな感じのイヤホンで、悪く言うとオモチャっぽい感じだったのですが、TT-BH072は 一転シックなデザインで、SONYのイヤホンって言われてもわからないレベルです。このTT-BH072だけはカラーバリエーションがブラックのみようです。TT-BH07(5色)やTT-BH07S(2色?)などはカラーバリエーションがあるようです。

TaoTronics TT-BH072

スピーカーユニット部分は、こんな感じ。

筐体部分は、金属製で質感も悪くないです。イヤーフック部分は、シリコンっぽい素材で耳の窪みに入り込んで、本体の安定感を凄く上げてくれます。イヤーフックのサイズは、私は最終的にMサイズがジャストサイズでしたが、これがあれば、どんな運動をしても絶対落ちない感じですね。メチャメチャ安定します。サイズさえ合えば装着時の痛みもありません。(私はLサイズにしたら大きすぎて痛みが出ました。)

撮影前にホコリっぽいところに転がしてしまったので、沢山ホコリが付いてました。撮影時に肉眼で見てた時は気付かなかったんだけど、マクロレンズで「どアップ」撮影するとホコリが目立ちますね。取り直すのも面倒なんでそのままです。(笑)
TaoTronics TT-BH072 充電ポート

USB充電ポート (マイクロUSB)

リモコン横の防水用フラップを開けると、USB充電ポート(マイクロUSB)が現れます。ちなみにこのイヤホンIPX5クラスの防水対応との事です。(IPX5は水流の直撃くらってもOKなレベルとの事。)ただ、写真だと大きく写っているけど、このフラップ本当に小さくて、開けるのが少し面倒かな。(爪先を突起部分にひっかけて開ける感じ)まぁ、慣れてくれば大して手間でもないけど。

ただ、こう言うフラップって使っていると大抵もげちゃうんだよね。まぁ、私は防水性能は必要としてないので、もげたらもげたでもいいんだけどね。

TaoTronics TT-BH072 充電ケーブル

充電ケーブルの差し込みは、硬すぎず、緩すぎず、適度な感じでした。

TaoTronics TT-BH072 充電ランプ

充電中は赤色LEDが点灯

充電を開始すると、リモコンのLEDが赤く光ります。

TaoTronics TT-BH072

充電完了を示す青色LED。ちなみに白いケーブルは同梱品ではなく スマホ(P10Lite) の充電ケーブル。

充電が完了すると、LEDが青色に変わりますので、充電が完了した事は一目でわかります。

TaoTronics TT-BH072

リモコンは、右側のイヤホン寄りについています。イヤホン装着時に「リモコンがある側が右」と覚えられるのでLRの判定が楽です。装着すると丁度口の横くらいにリモコンが来る感じです。リモコン自体はプラスチック製で凄く軽くてリモコンの重さでコードが引っ張られて不快になるような事も全くありません。(ケーブルと一体化してる感じ)

TaoTronics TT-BH072 リモコン

操作部分は、3つのボタンとLED、それとマイクの穴があります。操作ボタン自体は膨らんでいる(立体的)ので、ボタンを見なくても指先の感覚だけで押す事ができます。またボタン同士もある程度距離をとってあるので、どの位置のボタンかの判断も付きやすいです。中央の多機能ボタンには「再生/停止」や、長押しで「電源のオン/オフ」などの機能があります。Windows10で「中長押し」(長押しより少し短め)押した時は、コルタナさんが起動しました。

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イコライザー機能について

このイヤホンの大きな特徴として、EQ(イコライザ)機能があります。「多機能ボタン」を押しながら「プラス+」ボタンを押す事で、EQの設定が「bass、treble、normal」と切り替わります。EQの変化は、極端な変化ではなく、絶妙な感じで「低音強め」「高音強め」みたいな感じに変化するので、実用性をとても良く考えてチューニングされているとなと感じます。

私は基本フラットな周波数特性が好みなのですが、乗り物にのった時などは、どうしてもエンジン音などに低音域が隠れて「シャカシャカ」した音に聞こえがちなので、そう言った時にリモコンの操作だけで「bass」側の設定にできるのは、かなり有用性が高いと思います。また装着するイヤーピースによっては、低音域が強すぎる事があるので、そういった場合は設定を「treble」にして、バランスをフラットに近づける事も出来ます。

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apt-X 接続に関して

私は、この TT-BH072 をを基本、デスクトップPCで使う為に購入しました。Windows10 は現在、標準で apt-X に対応しているので、apt-X 対応のBluetoothイヤホンなら apt-X で接続されるハズです。Bluetooth黎明期の Windows 環境では メーカー独自の Bluetooth ドライバが使用されていたので、使用する Bluetooth ドングルが apt-X 対応を謳ってないと apt-X で接続されないと言った事があったようですが、Windows10はマイクロソフト製のドライバーとapt-Xのソフトウエアコーデックを標準搭載しているので、どんなメーカーのBluetoothドングル(apt-X 非対応ドングルでも)を使っても apt-X で接続できるそうです。

私は、2015年頃に購入した 古いBuffalo製のBluetooth4.0対応ドングル(BSBT4D09BK / チップセットはCSR)を使って TT-BH072 と接続していますが、ちゃんと apt-X で繋がっているようです。Windows10で動画などを見ても、口元と音声のずれは感じないですし、音もメチャメチャいいです。

それから、このTT-BH072は、apt-X をさらに高音質化してハイレゾ対応にした apt-X HD に対応しています。apt-X との違いは、量子化ビット数が16bit→24bit、サンプリング周波数が最大48khzに対応したと言った具合です。ちなみに、Androidのバージョン8以降は apt-X HD への実装環境が整った事(クアルコムからエンコーダーソースが寄贈された)から、apt-X HD で接続できる可能性が高いようです。(後は端末メーカー次第)

試しに、手持ちのファーウェイ P10 Lite (Android 8.0) とペアリングさせて、開発者向けオプションで確認してみたところ、ステータス表示では apt-X HD で接続されているようでした。

apt-X HD

「オーディオコーデック」の部分に「apt-X HD」と表示されている。「Bluetoothオーディオビット」の部分も「24ビット」と表示されている。

apt-X HD

まぁ、この表示がどこまで正確なのかは、わかりませんが、試しに、apt-X にだけ対応している SoundPEATSの QY7 を接続してみると apt-X の表示になったので、TT-BH072 は、本当に apt-X HD で接続されているっぽい感じはしますね。

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TT-BH072の音質について

音の評価と言うのは、人それぞれ好みもあるので、一番難しい部分ではありますが、私なりの感覚で書きたいと思います。結論的な事から先に言うと、TT-BH072 の音質は、なるほど皆が良いと言うだけの事はあるなと言う感じです。

ただ、幾つか条件もあります。それは「イヤーピースがあなたの耳にジャストフィットすれば」と言う事です。やっぱり、なんだかんだ言って、インナーイヤータイプのイヤホンの要は、イヤーピースの密着度(密閉度)が、相当に重要だと思います。

TT-BH072には大中小3種類のイヤーピースが標準で添付されていますが、最初にイアホンに装着されているのは「中」サイズです。まずはこれをそのまま使ってリスニングした時は、かなり高音寄りの音で、低音弱めの、悪く言うと「ガチャガチャ」した煩い感じの音に感じました。

で「あれ、思ってた程良くないなぁ」って感じながらも、イヤーピースを「大」サイズに変えたところ、一気に低域に重みが増したのと同時に、高音域の「ガチャガチャ」感もなくなり、クリアな感じに変貌しました。想像以上に「中」サイズは、音が隙間から抜けていたようです。なんか音漏れの雰囲気を感じられる程のスカスカ感でしたからね。

で、イヤーピースでの音の変化を色々試してみたくなり、以前に購入したSONYのイヤホンに付属していた、イヤーピースを試しに装着してみました。TaoTronics のイヤーピースは、SONYのイヤーピースとはめ込み部分のサイズに互換性があるようで、普通にリプレース出来てしまいます。(これって何気に嬉しい)

イヤーピース 各種

手持ちのSONYのイヤーピースのサイズは、L、M、S、SSの4種類ですが、Mサイズでスカスカだったので、勿論、装着するのはLサイズ。でリスニングしてみたところ「すんごい重低音」TaoTronics のLサイズよりも、さらに低域が「ドシッ」と重く硬くなって、ベースのドライブ感も強烈、正直、低音強すぎなくらいです。でもやっぱり密閉度が高いと音質は凄く良く感じます。

上の写真で「L」となってるグループの左から2列はSONY製、残りの右1列がTaoTronics製です。低音のバランス的に言うとTAO製の「L」の方が適度な低音で好ましいようにも感じますが、TaoTronicsのLサイズはSONYのLサイズよりも、傘の部分のサイズがさらに大きいようで、長時間装着で耳が痛くなりやすかったので、常用使用は無理と感じて、私は敢えてSONYの「L」を選ぶ事にしました。

ちなみにSONYの「L」は軸部分に色がついているタイプ(MDR-XB70付属)と、軸色が傘の部分と同色のタイプ(MDR-XB50付属)がありますが、サイズや形状は同じようですが、この2つは軸の硬さがかなり違います(色付きの方は軸が硬い)ので、その辺りでも音に違いがあるようです。傘と同色の方(MDR-XB50付属)が若干低音が抑え目な感じで、色がついている方(MDR-XB70付属)はさらに低音が強力でタイトになる感じがします。

SONYのハイブリッドイヤーピースはドライバへの差し込む深さによって低音の量がかなり変わります。私が TT-BH072 で試した感じでは、余り深くドライバへ差し込み過ぎると低音は減る印象です。一番奥まで差し込まず軸の端から 1mm くらい隙間を開けておくとドスッと重い低音が出ていい感じでした。色々、自分で調整してみてくださいね。

ちなみにSONYのLサイズで低音が強すぎと感じた場合は、TT-BH072の十八番(おはこ)、EQ(イコライザ)で treble の設定にすると適度に低音を押さえてくれます。こう言ったチューニングの柔軟性の高さもこのイヤホンの強みですね。

そんな訳で、イヤーピースさえ耳にフィットすれば、このイヤホンは本当に良い音を出します。まぁ、それはどのイヤホンでも同じですが、ちゃんとイヤーピースが耳に密着した時に良い音を出せるのは、ドライバの素性が良いからで、素性が悪いドライバだとそうはいかないと思います。

正直、TT-BH072は、無線接続なのに、以前に購入した有線接続のSONY製MDR-XB70と聞き比べても、全く遜色ない音を奏でます。

MDR-XB70

SONY MDR-XB70

古いSoundPEATSのQY7のような粗造りな感じは全く無く(今のSoundPEATSはずっと良くなっていると思いますが)一部の高音がやたら突き刺さるとか言う事も無く、音がちゃんと調教されている感じとでも言うのでしょうか。イヤーピースさえちゃんとセッティングすれば、十分に満足行く音を奏でてくれると思います。

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タッチノイズに関して

SoundPEATS のQY7のタッチノイズに懲りて、今度はタッチノイズの少ないイヤホンにすべく、選んだこの TT-BH072 ですが、結論から先に言うとタッチノイズの少なさ「余裕で合格」です。QY7とは雲泥の差です。もちろんタッチノイズが無い訳ではありませんが、QY7よりは遥かに抑え目で実用的です。

今回、廉価モデルのきし麺ケーブル採用のTT-BH07を避けて、細いケーブルのTT-BH072を選んだ一番の理由はコレが大きいですが、もしかしたら TT-BH07 の「きし麺」ケーブルは QY7 とは全く違ってタッチノイズが少ないのかもしれませんが、その辺りの事前情報が、私には見つけられなかったので、リスク回避の意味ではこう言う選択は最善だった思います。

TT-BH07のケーブルは、現行型では「きし麺」ではなく細身のケーブルになっている模様。
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その他、細かい点に関して

その他、細かい点に関してですが、リモコンの多機能ボタンを長押しする事で、電源をオン/オフできますが、その長押し時間が、長すぎず、短すぎず適度な長さなのが、良かったです。SoundPEATS のQY7 は、長押し時間が長めな感じで、ボタン自体が小さく押しにくいのも相まって、電源のオン/オフがちょっと面倒だったので助かります。

また、スピーカーユニットのお尻同士がマグネットでくっ付くようになっているのも良いアイデアだと思います。耳から外した際に、マグネットで左右のユニット同士をくっ付けて輪っか状態で首にかけておけば落下や紛失もしづらくなるのでね。

TaoTronics TT-BH072

お尻同士はマグネットでくっつく。

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まとめ

このイヤホン、これだけの性能を驚くべき価格で実現しています。

TT-BH072は、通常時の実売価格は約4600円。廉価モデルのTT-BH07は、約3000円です。(この他に最上位モデルのTT-BH07Sと言うのがあります。約5400円)

さらに、私はタイムセールで購入したので、TT-BH072を約3,600円で購入しています。この性能で、apt-X HD 対応の高音質無線イヤホンが買えるのは、凄い事です。基本的にmp3やYoutubeなどの圧縮音源しか聞くこと無い現代、一般使用でこれ以上の音質いるか?

ちなみに、AACコーデックにも対応しているので iPhone の人でも高音質で使えます。

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