はじめに
本当にご無沙汰してしまいましたが、実はこのところサーバー機を刷新する作業をしておりまして、思ってた以上に時間がかかってしまい、ブログ更新に全く時間が取れませんでした。今回、更新したサーバーは2台(ハード&ソフト)なのですが、なんだかんだで着手から1か月半位かかってしまいました。まだ、もう少し古いサーバーが残っているので、いずれはそいつらも更新しないといけないのですが、取り合えず今回の2台は、ほぼ完了しました。
サーバー交換は大変な作業
今回はLinuxのディストリビューション変更を行った(新規インストール時にしか行えないのでね)ので、従来との違いの調整や技術的なドキュメントの作成(これが後で役に立つ)に結構時間を取られました。それとこの機会にポリシーや設定なども大幅に見直し、一緒に古いデータ形式も新しいものへ変換したりもしましたので、より一層時間がかかりました。
既存のサーバーは動かしつつ、裏で新しいサーバーを立ててデータを移し、ある程度動作確認が出来てからサーバーをスイッチするのですが、概ねスムーズに移行は進んだのですが、実稼働環境にならないと調整できない部分もあるので、最後は実稼働させつつ調整してゆくのですが、ここで思い通りに動かず少々苦戦しました。と言う訳で折角ブログを見に来てくれた方々にはもしかしたら、サーバーが不安定でご不便をおかけしたかもしれませんが、何卒お許しください。もうほぼ完成の域に達したと思うので、もうそんなにおかしな事にはならないとは思います。(なったらごめんなさい)
でも刷新の甲斐あって、ブログのページはかなりレスポンスが良くなったんじゃないかと思います。マシンは最新悦ではないですが、CPUはこの間までメインマシンに使っていた当時ハイエンドの Core i7 なので、結構速いと思います。ちなみにマザーボードは新品のストックが納戸に保管してあったのとストレージは新規購入したので、ハード的にも暫くは大丈夫と思います。CPUやメモリの予備もありますし。
新サーバーに高速M.2 SSDを搭載
と言う訳で、前置きが長くなりましたが、ストレージもこう言った機会にしか交換できないので、このタイミングで新サーバー2台にはM.2 SSDを搭載する事にしました。
前回のマシンもシステムドライブにはS-ATA接続のSSD(Seagate Iron Wolf)を使用していましたが、その当時はSSDの価格も高い上、そもそも大容量SSDもありませんでしたので、ファイルサーバーのデータストレージは2TBのHDD2台をハードウエアRAID 1で使用していましたが、今は大容量のM.2 SSDでもかなりお手頃な価格で購入できるので、速度アップ、省電力化、静穏化などに期待を込めてM.2 SSD化しました。
KIOXIA EXCERIA G2 2TB (2000GB)

使用したSSDは日本メーカーのKIOXIA(元々は東芝の半導体メモリ事業部門ですね)の「EXCERIA G2 2TB」です。購入する前にも他社製品と色々比較しましたが、大容量のSSDとしてはこいつはコストと性能のバランスが最強です。

価格は私が購入した時点で約1万3千円でした。正直、この価格でD-RAMキャッシュ搭載はなかなか無いです。EXCERIAもG3になってからコスト削減の為かD-RAMキャッシュが非搭載になり、最高速度は速いですが、SLCキャッシュが切れる大量データの連続書き込みはG2よりも逆に弱くなりましたので、私はこの価格帯域ならG2をお勧めしますね。大容量で速くて安いのでファイルサーバーには最適!そしてなんと言っても信頼の東芝メモリー。
KIOXIA EXCERIA G2 PLUS 512GB

そしてもう1台、Webサーバーとして動いているマシン(今見ているこのブログのサーバーです)にはG2より上位グレードの「EXCERIA G2 PLUS 512GB」を搭載しました。こちらは私が購入した時点で6千円程でしたが、PLUS無しG2より基本性能が上がって転送速度が速い上に勿論、D-RAMキャッシュを搭載していますので、書き込みはSLCキャッシュ切れを起こした後も速度低下が少ないのが特徴です。

このEXCERIA G2 と EXCERIA G2 PLUS の違いは、G2 PLUS は両面実装になっている事です。下記にG2 と G2 PLUS の裏面の写真を掲載します。

EXCERIA G2 の裏面にはチップが無く、片面実装(表4チップ)になっています。それに対して下のEXCERIA G2 PLUSでは、裏面にもチップが搭載されていて、両面実装(表4チップ、裏4チップ)になっています。

これによってG2 PLUSは裏面のチップにも並列にデータを入出力出来るので速くなると言う訳なんですね。
M.2 SSDのスペックを殺さずサーバーに搭載
EXCERIA G2 及び G2 PLUS 公称スペックは下記の通りですが
モデル | シーケンシャルリード | シーケンシャルライト |
---|---|---|
EXCERIA G2 | 2,100MB/s | 1,700MB/s |
EXCERIA G2 PLUS | 3,400MB/s | 3,200MB/s |
実は今回のサーバーにもM.2スロットが搭載されてはいるのですが、世代が少し古く PCIe 2.0 x2 接続となっています。これだと最大でも1,250MB/sまでしか出ませんので、どうせならM.2 SSDの最大性能が発揮できるように秘密兵器を用意しました。それがこいつです。

まぁ、パッケージを見てもわからないですよね。(笑)

そうこれです。M.2SSDをPCIeスロットに直付けできる変換アダプターです。スペック的には PCIe 4.0までサポートしており x4接続です。

付属品一式はこんな感じです。ヒートシンクが付属しているのが嬉しいですね。

具体的な使い方は、こんな風にM.2 SSDを取り付けて、x4接続以上のPCIeスロットにぶっ刺せば完了です。なお、同梱品一式にも写ってましたが、このアダプターにはヒートシンクが付属しています。

こんな感じの構成になっています。輪っかは固定シリコンバンドで、シルバーの金具も固定用ですが、私は裏面の配線とショートしそうな気がしたので、この金具だけ使用していません。

装着するとこんな感じです。サーマルパッドを挟んでヒートシンクをバンドで固定するだけです。別途ヒートシンクを買わなくて良く、変換アダプター一式は1,300円位で買えますので、コスパがいいです。バンドも案外しっかりとしていて、これなら経年劣化で切れたりする事もなさそうです。
両面実装用のヒートシンクを装着
ただし、この付属のヒートシンクは片面実装用のヒートシンクなので、EXCERIA G2 にはベストですが、両面実装のEXCERIA G2 PLUS には心もとないです。と言う訳で、G2 PLUS には両面実装対応のSGTKJSJS製ヒートシンクを別に買いました。

これが同梱品一式ですが、写真では水色のサーマルパッドが1枚に見えますが、重なっているだけで2枚付属していて、これで両面から挟みます。サーマルパッドは厚みが異なり、表面用は厚く、裏面用は薄いです。黒いコの字型の金属パーツはSSDの裏面を覆いサーマルパッドからの熱を伝えます。固定は付属のネジでガッチリ行えます。

全て装着するとこんな感じです。そしてこれらを、それぞれのサーバーのPCIe 3.0 x16 スロットにぶっさしました。サーバーには高性能なグラボは不要なので贅沢に x16スロットを使いました。ちなみにこのカード自体は PCIe 4.0 まで対応しているので PCIe 4.0対応のSSD と PCIe 4.0 対応のマザーボードであれば、その性能を遺憾なく発揮出来ます。
なお今回のサーバー機は PCIe 3.0 x4接続 した事になるので最大で 約 3,950MB/s 位の帯域を確保出来ている訳で G2 は勿論の事 G2 PLUS の性能も余裕をもって発揮出来るはずです。そして実際に Linux 上で 「KDiskMark」と言う Windows用の「CrystalDiskMark」とそっくりなベンチマークソフトで速度を計測してみましたが、しっかりとSSDの公称値が出ていた事をご報告しておきます。
また変換アダプターと聞くと安定性などに不安を覚える方もいるかもしれませんが、写真からもわかる通り、チップ類が何も搭載されておらず、恐らく殆ど配線をPCIeスロットに結線しているだけと思われますので、故障する場所が無いので故障する事も無いでしょうし、今のところ使っていておかしな挙動もなく拍子抜けする程安定稼働していて、これめちゃめちゃ気に入りました。
最後に
サーバー機をM.2 SSDにアップグレードした事によって、何もかもがサクサク動くようになり、本当に快適です。勿論、CPUもアップグレードしていますので、相乗効果ではありますが、同じマシンをHDDで動かしていた時のダルさと比べたら天国ですので、やっぱりSSDの力は偉大です。

KIOXIA製品の販売と製品サポートは株式会社バッファローが行っているようです。








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