はじめに
先日、下記の記事で

穴あきハニカムデザインが特徴の重量僅か67gの超軽量ゲーミングマウス「Glorious Model O」をレビューしたばかりですが、なんだか最近、我が家では軽量マウスが流行しているようで、今度はまた別の身内が 米ファイナルマウス社の「Finalmouse Ultralight2 Cape Town」を購入したので、レビューしてみたいと思います。
何度も言ってますが、私の手は大きいので、例によって「手の大きい私が小さな Finalmouse Ultralight2 Cape Town を使ったら」と言う目線でのレビューとなります。
軽量、穴あきマウスの先駆け
ファイナルマウスは、多くのプロゲーマーや動画配信者などが愛用している事などから人気に火が付いたようですが、最近流行りの軽量穴あきマウスとしては、 Finalmouse がこのジャンルの走り(先駆け)のようです。
新作を発表する度に、各部のブラッシュアップと軽量化に磨きをかけて来ているようですが、最新作の Finalmouse Ultralight2 Cape Town ではついに 47gと言うその圧倒的な軽さを実現し、恐らく現時点で世界最軽量のゲーミングマウスだと思われます。
ただし、このマウス「eSports用高性能マウス」との触れ込みからもわかるように、究極のゲーミング性能を目指して、軽量化を徹底する余りか、最近では当たり前となったLEDピカピカなどの装飾機能まで省いてきており、それでいて結構高めな価格設定(定価 $120)なので、決して万人受けするようなマウスではないと思うのですが、8月に日本国内で発売開始した際には、30分で4000個の Finalmouse Ultralight2 Cape Town が完売したようです。まぁ、それだけ日本もeSportsやPCゲーミングが一般的になって来たと言う事なのでしょうか。
外観などについて
Finalmouse を見たことも無い方も居ると思うので、外観の写真を一通り貼っておきます。
穴あきハニカムデザインの先駆者ですので、勿論、筐体には数多くの六角形の穴が空けられています。Glorious Model O との大きな違いは、親指と小指が掴むサイドの部分にまで穴があけられている事でしょうか。(Model O はサイドに穴は無い)
実際にこのマウスでプレイしてみると、穴の通気性のおかげで殆ど汗をかく余地がなくなる印象で、サラサラ感はかなり高いです。指先に「サイド部分の穴」を感じますが、穴がある事によって操作しにくいと言う事は無かったです。プレイしている間は穴が空いている事すら忘れる感じです。触り心地もちゃんと考慮して作られているようでした。また、穴あきによる剛性感の低下などは Model O 同様全く感じませんでした。
天井部分には dpi の切り替えスイッチがあり4種類のレベルが設定できます。マウスホイールには本モデルで剛性面での改良が入ったようで、回した印象としては、細かいクリック感で、しっとりして滑らかなフィールの好印象なホイールでした。
ホイールボタンの押し下げは Glorious Model O 同様に、少し重めで押した時の節度感は良いです。おかげでホイールスクロール中の誤動作の可能性は低いと思いますが、逆に私のようにホイールボタンに武器の発射機能を割り当てて、連打する使い方の場合、NAOS8200くらい押し下げが軽い方が連射はしやすいかな。
筐体形状は、左右対称ですが、 Glorious Model O 同様、左側にのみサイドボタンが設置されているので、こちらも右利き用のマウスですね。メインボタンのクリックはしやすいし、操作面では特に問題は感じませんでしたが、クリック音が少し大きめです。押した時に「カチッ、カチッツ」と結構しっかりした音が聞こえます。静音マウスを求める人には向いてないかもしれません。
特筆すべきは、サイドボタンの押し易さです。サイドボタンは、サイズ、形状、位置、節度感など全て良く、非常に押しやすいボタンだと思いました。近年触ったマウスの中では恐らく最も押しやすいと感じたサイドボタンではないかと思います。
サイド部分の壁面は、Glorious Model O のように逆バンクはしておらず、ほぼ垂直な感じでした。壁面が垂直なので小指グリップ問題が心配でしたが、Finalmouse Ultralight2 Cape Town は、平均的なマウスより幅が狭い事から、普通に小指が裏返り気味で、爪先が接地する感じになり、小指グリップ問題は発生しませんでした。
Glorious Model O と比較
Glorious Model O と比較すると、全体的に小ぶりな印象です。高さ、幅、長さ全てにおいて Finalmouse Ultralight2 Cape Town の方がコンパクトです。このサイズだと真っ向ライバルは Glorious Model O のコンパクト版 Glorious Model O-(オー・マイナス)の方かもしれませんね。
2つのマウスの形状は、サイド部分は下部の傾斜具合が異なるものの、全体的には似通っていて、Finalmouse Ultralight2 Cape Town は Glorious Model O をそのまま小さくしたような印象です。
だた、奥行(長さ)は最も両者の差があって、実に12mmも違います。私はプレイ中に時々マウスのお尻や背中を手のひらにあてがって、エイムを安定させる事をするのですが、Glorious Model O だとギリギリその手法が使えますが、Finalmouse Ultralight2 Cape Town ほど、お尻が短いと、さすがに手の大きな私がその手法を使うのは厳しい感じです。
ただ、標準的や小さめの手の人であれば、問題ない長さだとは思われます。
ケーブルにも改良が入っているようで、ファントムコードと呼ばれるケーブルはより細く、より軽量化などが施され、マウス操作を阻害しないように作られているとの事。
実際に操作してみても、非常に軽く操作性の良いケーブルかと思います。
センサーについて
センサーは Glorious Model O 同様 Pixart Imaging Inc. (本社:台湾 新竹市)製の高性能センサー PWM-3360 のようです。ですので、ハードウエア的には dpiの縦横独立設定もちゃんと出来ます。
ハイセンシプレヤーには、やっぱりdpi縦横独立設定は絶対欲しい機能ですよね。これも Glorious Model O の記事で触れましたが、ハイセンシプレーヤーはマウスの縦移動を指の屈伸だけで行うので、横方向に比べて縦方向のマウス移動量が小さいので、縦横共通のdpi設定だと設定がどっちつかずになって、非常に宜しくないのです。
ソールも、今回のモデルで改良が入ったようで、新しいカッテイング技術でマウスパッドに引っかかりにくい形状になったようです。素材はModel O 同様テフロンとの事。実際にプレイした印象としては、Model O 同様に非常に良く滑るなめらかなソールで、一般的なソールのゲーミングマウスとは一線を画す滑りの良さでした。
マウスの設定ソフトウエアについて
このマウス、どうも純正の設定ソフトウエアがありません。ちょっとビックリしちゃいますよね。ただ、Dream Machinesと言うメーカーの「DM1 PRO S」と言うマウス用のソフトウエアが使えるとの事です。
実際にやってみると、プロファイル毎に4種類のdpiの設定ができますし、縦横独立のdpi設定も100dpi単位で行う事ができました。Finalmouse Ultralight2 Cape Town も Glorious Model O 同様、マウス本体にメモリーを内蔵しているようで、設定を一度マウス内に保存してしまえば、USBを抜いて他のPCに繋いでもちゃんと設定を記憶しています。よって、ドライバーも Model O 同様、マイクロソフト純正のマウスドライバーで動いていました。
気になった部分としては、何故か「ACCELARATION」の値をデフォルトの5にしておかないと感度が変な感じになっちゃうって事くらいでしょうか。具体的に言うと ACCELARATION を切ろうと0にしたら、なんか dpi が50くらいになったんじゃないかってくらい低感度な感じになるんです。
海外の掲示板などの書き込みを見ると、どうやらデフォルトの5にするとアクセラレーションがオフになるらしいです。あと「Enhance pointer precision」のチェックボックスも具体的な事が良くわかりませんが、チェックを外しておいた方が良さそうです。
取り合えず、これで問題なく使えているのでいいですが、やっぱり早いとこ純正アプリ出して欲しいですね。
INFINITYSKINについて
Finalmouse Ultralight2 Cape Town には INFINITYSKIN と呼ばれる合成フォーム材で出来たパッドが付属しています。このパッドの目的は「微妙なサイズ調整」との事で、必要に応じて、これらのパッドを張り付ける事によって、マウス形状を変更する事が出来るとの事。
パッドは、左・右(サイド)に加えて、マウス背部に張り付けるもの(トップ&パーム)が2種類あり、合計で4種類あります。またそれぞれに3種類の厚みのバリエーションが用意されています。(サイド&パーム部1.2mm/2mm/2.5mm/トップ部は全て1mm)
好みに応じて、必要な部分や厚みを選択して張り付ける事で自分好みのマウス形状に仕上げられるとの事です。
素材は、割とフワフワと弾力がある感じで、非常に軽量な素材でグリップ感も強化される感じでした。まぁ、貼り付けると通気性を阻害してしまうので、悩ましいところですが、そこら辺はお好みでと言う事でしょうか。
実際に Finalmouse Ultralight2 でFPSをプレイしてみた結果
そして最後に、このマウスで、実際にFPSをプレイしてみた印象を書きたいと思います。ゲームはいつもの、一番プレイ時間が長いPAYDAY2でスナイパービルドです。
少し前に Glorious Model O でプレイした記憶が残っているので、どうしてもそれとの比較となってしまうのですが、まずエイムコントロールに関しては、Glorious Model O に負けず劣らずやり易いかな。
Glorious Model Oでもそうだったんだけど、やっぱり軽さとソールのすべりの良さはエイムコントロールに相当影響しますね。自由自在になる感じって言うのかな。
ただ、最初に少し感じたのは Glorious Model O よりもブレーキが効きにくいように思いました。何が原因でそうなるのかは、良くわからないのですが、いつもの感じでエイムして行くと、行き過ぎちゃう感じがありました。
もしかしたらソールが滑り過ぎちゃっているのかもしれませんね。しかも、重さが47g とマウスを持っている事すら感じさせない程軽いので、いつもの感じでラフにマウスを動かすと、思ってた以上に動いちゃうのかもしれません。でも、これ慣れてくるとだんだんコントロールできるようになって来ました。少し丁寧に扱うようにするといい感じです。なにせ軽くて、スムーズに滑るので、修正が楽なんですよね。
まぁ、Glorious Model O と比べてもセンサーは同じですし、そんなに性能差はないと思うので、どちらを選んでも、同じくらい強いとは思います。
まとめ
最後に Finalmouse Ultralight2 Cape Town は買いかどうかについてですが、性能的には問題ない。ただ、最大のネックは、その価格ですね。日本での現在の実売価格がおおよそ1万3千円~1万4千円くらいしてますので、この価格をどう捉えるかですね。
まだ、耐久性面の事が判りませんので、耐久性が非常に高ければ、決して高くはない事になりますし、逆に耐久性が低ければ、高すぎるって事にもなりかねない。
ただ「お金に糸目は付けない!」とにかく「世界で最も軽いゲーミングマウスが欲しい」「異次元の軽さを体験したい!」って人なら Finalmouse Ultralight2 Cape Town 一択になりますので、そう言う人は、他に選択の余地は無いかもしれませんね。

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